収集本能

動物は、多かれ少なかれ収集本能を持っている。それは生きるための基本的欲求、「食べる」からきていると思う。 かつてのある日に、犬を連れて山越えのハイキングに行った時のこと。昼食のにぎり飯が余り犬に与えたところ、そのときは欲しくないらしく咥えたままウロウロしている。やがて適当な場所を見つけて穴を掘り出した。そして、いつ取り出して食べるつもりなのか、その穴へ埋めてしまった。 いつも身近に豊かな食べ物があり、欲しいときに欲しいだけ得られるのなら、おそらく「貯える」ということはしないであろう。少しでも多く、またより良い食べ物をということから始まり、「より豊かな生活」を目指して衣食住から装飾品、遊び=趣味へと収集本能が働き、次第に高まっていったものと思う。 趣味の分野では、いろいろな物を集めている人がいます。切手やマッチのレッテルは昔からよくありましたが、空き瓶や看板から自動車に携帯電話まで、さまざまです。他の人から見ればゴミとしか見えない物を集めている人もいます。それぞれの収集家の考えがあってのことですが、人間は、つまらない物でも極端に少ない物とか珍しい物、また、多く揃っているとか現実離れをしているとかに驚きや感動を覚えることがあります。趣味は独りよがりのところが大変多いですが、集まった安心感や出来にくいことに対する達成感に、快い刺激を感じているように思います。